第30回ユース会代表者セミナー 『新しい働き方』

【事例発表者】

新潟中金ユース会   五月女 奈緒美氏(三福運輸株式会社 代表取締役)

熊本商工中金ユース会 島田 源太氏(株式会社あつまるホールディングス 常務執行役員)

司会 佐藤 仁氏
五月女 奈緒美氏
島田 源太氏

【発表内容】

【五月女 奈緒美氏:要約】

(三福運輸株式会社 代表取締役)

「女性が輝く業界へ」


 私は6年前までANAのCAとして航空業界にいましたが、2013年に父が創業した三福運輸株式会社に入社し、2015年に代表となりました。当社の本社は新潟県新発田市で、新潟市、金沢市にそれぞれ営業所があります。車両台数は32台、従業員は40名で、貨物は医薬品、米菓、家具などです。
 航空業界の私が在籍した職場は女性社会で教養を身につけ、高い倍率の中で選ばれたプロの集団でした。しかし、運送業界は男性社会で、当社にはマニュアルやルール、安全教育などが整備されていませんでした。どうやって会社を経営していけばいいのだろうと悩んでいた時、愛知県の運送会社の社長がプロのドライバーの育成を考えられていて、航空業界で厳しい教育を受けてきた私に是非力を貸してほしいと言ってこられました。私にできることは航空業界で学んできたことを運送業界に活かすこと、それしかないと思い、道が開けたと思いました。社内改革で一番先に取り組んだのが、危機意識の改善です。まず、入社時の安全教育および入社後3年間の添乗指導を徹底しました。
私は、当社の社員をプロの集団にしたいと考えています。スキル、マインド、マナーを守る、この3つを兼ね備えた者をプロのドライバーと定義しています。スキルについては、定期的な研修や講習を実施しています。マナー教育では、身だしなみ、挨拶、言葉遣いを向上させる取組みを実施しています。身だしなみについては、まず制服を全員着用して下さいと言いました。そして、明るく大きな声で、笑顔で、相手の目を見て、立ち止まって、自ら先に、相手の名前を呼んで挨拶しましょうという挨拶運動をしてきています。言葉遣いは、です・ます・はいで会話し、上司のことはさん付け、または役職で呼ぶことも徹底しました。そして、マインド教育が一番難しいですが、これができたら、もっと良い会社、事故が無くなる会社になると思っています。
 運送業のイメージアップには、やはり女性が必要です。そのために、女性ドライバーをサポートする女性スタッフを増やしました。第一印象が大事ですから、制服は華やかに私の好みも反映してCAっぽくしました。女性専用トイレを設置し、仮眠室も女性ドライバーの希望で、リクライニングチェアーを導入し、カーテンで仕切って1人になれるようなスペースを作りました。そして、社内報は、配車をしている絵が上手な女性事務員が全部手書きで、毎月1回発行しています。働き方改革ということでは、2年前から長時間労働の是正をしています。一旦、経営的に厳しい状況に陥りましたが、当社のドライバーや配車担当者が、お客様からとても評価をしていただいて、労働時間の短い、手作業の少ない仕事をどんどんいただけるようになり、それがドライバーの定着に繋がって、昨年度は非常に良い結果を残すことができました。やはり企業の発展は人材育成だなという風に思っています。当社は長距離ドライバーもいますし、朝早くから出て早めに終わる仕事を選んでいる方もいます。自分たちのライフワークに合わせた仕事を選んで、生き生きと働いています。人手不足解消のための女性雇用ではなく、今後も女性が輝く職場を提供することで、女性雇用を増やし、魅力ある会社作りを行っていきたいと思います。


【島田 源太氏:要約】

(株式会社あつまるホールディングス 常務執行役員)

「従業員満足度向上への取組み」


 当社は熊本が本社で、1981年設立、現在38期目になります。九州全域と名古屋で求人誌と求人サイトを中心に求人広告業務を展開しています。熊本ではゴルフ場も2つ経営しています。また、地方創生事業として2015年から通年養蚕事業も行っております。当社の中心事業である求人メディア事業についてですが、名古屋から鹿児島まで10事業所の営業社員は全員正社員です。122名の営業1人当たり1月で大体80〜100件の求人広告を売っています。当社は数をいかに集めて売上を伸ばしていくかが重要と考えています。地域によって広告料金の差というのはあるのですが、10〜15年前に比べて、いろんなものの値段が上がっていく中で、求人媒体の多様化にともなう、広告の掲載費が下がっているのが現状です。事業全体としてはマイナスではないかと思われるかもしれませんが求職者の方が見られる媒体が紙からネットにシフトしてきていますので、印刷費用等を抑えてネットの方にしっかり対応していくという形で事業を継続しています。
 働き方という点で言いますと、10年くらい前、総務社員が寿退社で辞める時に、有給休暇を全く取っていなかったので1か月間休暇をくださいと言ってきました。もちろん休暇を与え退職しましたが、会社自体当時も年間休日120日前後で、初めてそういう社員が出てきて、問題となりました。それから数年かけて、現在計画有給制度を取り入れています。そのために、まず土・日休みの完全週休2日制にして、月曜から金曜にある祝日を有給休暇消化推奨日にして計画有給を実施しました。有給日数を満たしていない新入社員の場合、特別休暇という形を取っています。次に、ゴルフ場の方ですが、毎週月曜日を休館日とし、ここ5年くらいはずっと経営をしてきました。しかし、キャディ職で採用した若い子はサービス業の休日の仕組みに慣れず仕事がなかなか続かない状況にありました。最初の1年目をいかに働いてもらうかというのが大事なのと、今までの来場者アップ、売上優先の考え方から営業日を限定していかに利益確保をするかと、今年思いきって月曜日・火曜日の2日間連続休館日にしました。たぶん全国のゴルフ場をみても、2日連続休みがあるところは少ないと思います。休館日を2日続けることによって、コース管理作業は効率がどんどん上がっていますし、若い方のライフスタイルに対応でき今後の新卒採用にも期待ができると思います。
 最後に、効果的な求人広告について、お話ししたいと思います。色々な求人広告がある中で、求職者は仕事の内容を一番注目しております。是非、仕事の具体的内容、雰囲気、充実度を分かり易く求職者の方目線で求人票の記入・求人広告にしていただきたいと思います。広告に写真を利用する場合も会社の社屋や商品よりも職場がよりイメージできるような、働いている人物の方が効果のある応募があるということをお伝えしておきます。

 
商工中金全国ユース会